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もの作りと本質的な価値

革財布や、革靴、革バッグ、革ジャケット、革ソファーなど、レザー製品は、様々な動物たちの皮から作られています。牛、豚、羊、馬、山羊、鹿、ワニ、ヘビ、サメ、亀など、人間たちは歴史の中で、動物たちの生肉や骨、牙、毛、皮など、多種多様に利用することで人々の生活を豊かなものへと発展させてきました。

現代社会においては、マスプロダクト化が進み、多くの産業が分業化され、実際に1人の人間が生涯に携わる職業的な範囲は、マスプロダクトの歯車のほんの一部とされ、実際には自身がどのような産業に携わっているのかさえ見失ってしまい、モノ作りの全様をみわたす事は困難であるように感じています。

1つの革財布、1足の革靴を作るには、どのくらいの「時間」が必要で、どのくらいの動物の「生」と「死」が必要であるのか、多くの人々は、自分の消費を計る事ができなくなってしまっているのかもしれません。

キャッシュとして、店頭で商品として表示されているプライスなどで、様々なモノの価値を実感する事はできたとしても、皆さんが、1つの革財布、1足の革靴を手に入れた時に、その本質的な価値を実際に見出しているのでしょうか。アプリやサイトなどで、ワンクリックするだけで、欲しいモノが手に入る時代に、人々は「時間」や「生」「死」といった価値観をどのように計っていくのでしょうか。